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実はIT大国・ベトナム――知られざる優秀なIT人材の宝庫

  • オフショア開発コンシェルジュ
  • 7月8日
  • 読了時間: 3分
「ベトナムの若きIT人材が世界をつなぐ――広がる日本との技術連携」
「ベトナムの若きIT人材が世界をつなぐ――広がる日本との技術連携」

先日、ある飲食チェーンを経営されている方とお話しする機会がありました。その中で、「ベトナム=ITに強い国」というイメージが、まだまだ一般には浸透していないということに改めて気づかされました。

日本では、ベトナム人=技能実習生・低賃金労働者というイメージが根強くあります。しかし、実際のベトナムは、IT分野においてアジアでも有数の成長力を誇る国なのです。

この記事では、ベトナムのIT人材の実態とそのポテンシャルについて、具体的なデータや事例を交えながらご紹介します。


FPTソフトウェア:ベトナムITの象徴、そして日本企業の買収へ

ベトナム最大のIT企業である FPTソフトウェア(FPT Software) は、世界規模で事業を展開するグローバル企業です。

  • 従業員数:30,000人以上(2024年時点)

  • 拠点数:世界29カ国以上に展開

  • 売上高:約15億ドル(約1,500億円)

  • 日本国内の人材配置:約2,900人(うち日本人700人)を配置し、11都道府県に拠点展開


✅ 2024年:日本企業「NAC(株式会社エヌ・エイ・シー)」を完全子会社化

2024年3月、FPTジャパンホールディングスは、東京都港区に本社を置くITサービス企業「NAC(Next Advanced Communications)」を完全子会社化しました。

  • NACは、マーケティング支援、システム企画、設計・開発・運用・保守などを手がける独立系企業

  • 約300名の日本人エンジニアを擁し、売上高は約24億円規模

  • FPTはこの買収により、日本市場での顧客基盤と技術力を強化し、2027年までに日本市場で10億ドルの売上達成を目指す

この買収は、FPTにとって初の日本企業買収案件であり、単なる外注先ではなく、日本企業と対等なパートナーとしての地位を確立した象徴的な事例です。


ベトナムの教育水準とIT人材の豊富さ

ベトナムは教育熱が非常に高く、**大学進学率は約30〜35%**と、日本や韓国には及ばないものの、インドより高く、東南アジアではトップクラスです。

  • IT系大学・専門機関:150校以上

  • 毎年のIT系卒業生数:約5万人以上

  • ITエンジニア人口:約53万人


🌏 他国との比較

指標

ベトナム

日本

韓国

インド

人口

約1億人

約1.25億人

約5,200万人

約14億人

大学進学率

約30〜35%

約60%

約70%

約28%

IT系卒業生数(年間)

約5万人

約6万人

約4万人

約60万人以上

ITエンジニア人口

約53万人

約110万人

約80万人

約500万人以上

ベトナムは人口規模に対して非常に高いIT人材育成率を誇り、しかも若年層が中心。これは、今後の成長ポテンシャルの高さを示しています。


日本語対応力の高さも魅力

ベトナムでは20年以上にわたり、日本向けのオフショア開発が進められてきました。そのため、日本語対応が可能なIT人材が非常に多いのが特徴です。

  • JLPT N2以上のIT人材:多数在籍

  • 日本語対応可能なエンジニア比率:40〜50%に達する企業も

  • 日本式マナーや開発文化を学べるITスクールも多数存在

「言葉が通じない」「文化が違う」といった不安を持つ方も多いかもしれませんが、ベトナムのIT人材は“日本慣れ”しているのが実情です。


今後の日本企業に求められる視点

日本は今後、急速な人口減少とエンジニア不足に直面します。その中で、優秀な海外IT人材の活用は避けて通れないテーマです。

「ベトナム=低賃金労働」ではなく、「ベトナム=IT先進国、パートナーシップを組むべき対象」という視点で見直す時期が来ているのではないでしょうか。


まとめ:ベトナムは“東南アジアの宝”

  • 世界規模で展開するIT企業(FPT)が存在

  • 日本語対応が可能な優秀なITエンジニアが多数在籍

  • 大学進学率も高く、毎年5万人超のIT人材が誕生

  • 日本企業の買収も進み、実績・信頼ともに成長中

ベトナムの若きIT人材たちは、まさに**“東南アジアの宝”**です。視野を広げ、日本企業の成長エンジンとして、ぜひベトナムの力を活用してみてはいかがでしょうか。

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