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製造業のレガシー業務システムが抱える課題と、データオリエンテッドERPによる解決策

  • オフショア開発コンシェルジュ
  • 6月24日
  • 読了時間: 3分

日本の製造業では、長年にわたってカスタマイズを重ねた独自の業務システム(いわゆる“レガシーシステム”)を使い続けている企業が少なくありません。これらのシステムは業務に深く入り込んでいる一方で、年々大きな課題となりつつあります。


レガシー業務システムが抱える主な課題

1. 担当者依存によるブラックボックス化

多くのレガシーシステムは、特定の担当者が開発・運用を一手に担ってきたため、設計や仕様が属人化しています。担当者が退職・異動すると、誰もシステムの中身を理解できず、トラブル発生時に対応できないケースが後を絶ちません。


2. 最新技術・外部システムとの非互換

古い開発言語やデータベースをベースにしているため、クラウドやIoT、外部システムとの連携が困難。業務のデジタル化・スマート化を妨げる要因となっています。


3. 分断された情報と重複入力

在庫管理、生産管理、販売管理などがバラバラのシステムやExcelで管理されているケースも多く、同じ情報を何度も入力する非効率が生じます。また、リアルタイムでの情報把握が困難です。


4. メンテナンスコストの増大

レガシーシステムは、修正や拡張のたびに大きなコストが発生するだけでなく、対応可能なエンジニア自体が減ってきています。


解決策:データオリエンテッドERPの導入

これらの課題を解決する手段として注目されているのが、「データオリエンテッドERP」の導入です。


データオリエンテッドERPとは?

従来の業務プロセス中心型ERPと異なり、「データ」を業務の中心に据えることで、部門間・システム間の壁をなくし、リアルタイムな意思決定と業務改善を可能にするERPです。


特徴

  • データを一元化し、リアルタイムで可視化

  • 分析・レポート機能が強化され、経営判断のスピード向上

  • 柔軟な連携APIで他システムやIoT機器ともスムーズに接続

  • 属人化の排除と、業務の標準化


導入ステップ:スムーズな移行に向けて

データオリエンテッドERPの導入には、段階的なアプローチが必要です。以下は一般的な導入ステップの一例です。


Step 1:現状業務・システムの棚卸し

  • 業務フロー、使用中のツール、Excel運用などを全社的に洗い出す

  • 担当者ヒアリングを通じて、隠れた課題を明確にする


Step 2:KPI・目的の設定

  • 何を改善したいのか(例:納期短縮、在庫適正化、見える化など)を明確に

  • 経営層の意思決定を後押しするためにも、数値目標を設定


Step 3:ERPシステムの選定

  • クラウド型かオンプレ型か、予算、カスタマイズ要件、外部連携の有無を検討

  • 製造業向けテンプレートがあるERPを選ぶと導入期間を短縮できる


Step 4:PoC(概念実証)導入

  • 限定的な範囲でERPをテスト導入し、効果と課題を検証

  • トレーニングを通じて現場の理解と協力体制を築く


Step 5:段階的な本格導入

  • 部門・拠点ごとに段階的に導入

  • 並行して業務プロセスの見直しと標準化も実施


最後に

レガシーシステムの延命は短期的には安全策に見えるかもしれません。しかし、属人化、情報の分断、変化への非対応など、目に見えないリスクが年々増大しています。中長期的な視点で考えれば、今こそ“データ”を起点とした次世代型ERPへとステップアップする好機です。

DXの第一歩は「現状把握」から。御社のレガシー業務を見直すきっかけに、ぜひ一度ご相談ください。

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